輸血後赤血球の生存に関する次世代ビオチン化プロトコール最適化の研究
- GBTII
- 9月6日
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更新日:1 日前
当サイト記念すべき最初のレポートは、Transfusion誌 2025年 5月号に掲載された輸血後赤血球に関するレポートになります。報告内容は輸血された赤血球の生存率を調査するために赤血球の改良ビオチン化を行い、ビオチン化赤血球の影響と赤血球のPTRについてフローサイトメーターを用いて測定・研究調査した興味深いレポートになります。

要約
背景: 赤血球 (RBC) のビオチン化は、RBC 輸血後回復 (PTR) を定量化するための好ましい方法になってきている。この研究では、ビオチン標識自己赤血球(Bio BC)を輸血 48 時間前に輸血することの実現可能性を評価した。その目的は、製造拠点から遠隔地の臨 床拠点へのBioRBC製品の配送を容易にすることである。
研究要綱 :白血球除去赤血球単位を12名の健康な個人から採取し、1~6℃で42日間保 存した後、輸血の48時間前と4時間前に、2つのビオチン濃度(3および15 μg/mL)で ビオチン化し保存した。各被験者にBioRBC製剤それぞれ10mLを輸血し、その後フローサ イトメトリー解析により輸血後RBC 20時間および長期生存率(30日および90日)を測 定した。更なる属性の評価には、BioRBCsにおけるホスファチジルセリン(PS)の露出 と、溶血の試験管内測定を含めた。
結果:ビオチン化48時間後の赤血球輸血は、ビオチン化4時間後の赤血球輸血と比較して、BioRBCの20時間PTRや30日および90日生存率に変化は生じなかった(例:20 時間PTR:85.7% ± 8.4% vs. 87.5% ± 7.3%;それぞれ48時間と4時間、p > 0.05)。 同様に、BioRBC群間で、すべての時間点においてBioRBCのPS露出に有意な差は観察されませんでした。BioRBCの長期生存率は、20時間PTRではなく、ドナーヘモグロビ ン(ピアソン相関係数r = -0.71、p = 0.001)および浸透圧溶血(r = -0.783、p = 0.003)と負の関連を示した。試験期間中、参加者のいずれからもBioRBCsに対する抗体が検出されなかった(p = 0.003)。
結論:輸血48時間前の赤血球ビオチン化は、BioRBC製品の品質と安全性を損なうものではない。BioRBCの長期生存は、循環血中の赤血球寿命に影響を与えるドナー特性を特定するために有用である。
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